REQUIA


先々週の日曜日、僕の人生をねじ曲げたアルバム、ジョン・フェイヒィの「レクイア」をアメリカ盤LPで手に入れた。
盤はきれいだけど、ジャケットが痛んでるから1020円。ほかの大抵のミュージシャンのレコードだったら一旦自分にストップをかける金額だ(カネがないから)。でもフェイヒィだから迷わない。ジャケが底ヌケだとか、そんなことはどうだっていい。

思えば、はじめてフェイヒィの音を聴いたのがこのアルバムで、僕が18か19才のときだった。1曲目の“Requiem for John Hurt”のはじめのギターの音だけで、僕はやられてしまったのだ。それから数年はCD・レコード屋さんへ行けば必ずフェイヒィの音源があるか探したものだった。フェイヒィの活動のキャリアは長く、どの時代も魅力的。80年代ラウンダーやヴァリックから出したアルバムはなんだか急に毒素が抜けたような音になるけど、けっして悪くはないし、いろんな時期があっていいのだ。ださいフェイヒィもいいじゃないか。僕のCD棚で年代順にきれいに並べてるのなんてこのおっさんのCDくらいだ。

とにかく僕は、アコースティックもエレクトリックもワイゼンボーンも、フェイヒィの出すギターの音が今も大好きだ。いつか、いつか最初期のSP盤を聴いてみたいと思っている。地面を掘って、埋蔵金とフェイヒィのSPが出てきてどちらかひとつを選ばないといけないとしたら、僕は迷わずSPを選ぶと思う。しょうもないたとえをしてすみません。

ところでメンバーの西塔くんにずっと前きいた話だけど、レクイアのジャケ、写真が反転しているのはエリザベス・コットンに敬意をはらい左利きに写したという説があるのだとか。そういえば“Freight Train”を演奏している映像がユーチューブにありましたね。

フェイヒィのことは、いろいろあるのでまたあらためてちゃんと書けたらなと思います。