続・万鳥林

(前回の続き)

思えばマンドリンというのは、自分にとっては妙に気になる楽器でした。
本場イタリアはもちろん戦前の日本のマンドリンオーケストラの発展などは知れば知るほどたいへん興味ぶかいものがあるし、萩原朔太郎のイメージや、僕の場合『風の又三郎』の学校の先生がマンドリンを持ってきてみんなで歌う、という場面で子ども時代おそらく初めて耳にしたマンドリンという言葉自体の響き、想像した音、そんなものたちが無性にうるわしい印象に満ちています。いつものように脱線しますが、その子ども時代に読んだ風の又三郎も入っていた「セロ弾きのゴーシュ(岩波少年文庫版)」が、装丁、さし絵(由良玲吉さんという方)、字と紙の雰囲気も含め今も一番好きです。ちなみに小学生当時は同じくその中の『注文の多い料理店』が一番好きでした(もくじにも二重丸つき)。







アルパカセーターズではマンドリン曲もいくつかつくり、そしてそれらは昔の音楽になぞらえることなく、自分だけにとってのうるわししいイメージといいますか、シムプルで愛すべき曲たちになっていると思っています。それとは別に、いつかメンバーを集めて“万鳥林”オーケストラを結成したいとも実は去年あたりから思っていました。今のところ僕がマンドリン、西塔くんがマンドラ(勝手にメンバーに入れてる)の計2名。団員募集中です。


まあ、そんなこんなで最近のアラブ音楽との新しい出会いもあり、更にマンドリンという楽器の可能性に気づかされた次第です。とは言いながらもこの一週間聴いていた音楽といえばチャーリー・クリスチャンとジャンゴとユパンキばっかりでしたけども。

あれこれぐちゃぐちゃ言ってきましたが、なにはともあれ、私の最近思っていたところのマン談(マンドリン談)はこれでひとまずおしまいです。さよなら。さよなら。